この物語のヌシの老人ホームは,
安いので,いきおい安普請である。
2階だてで,長い廊下の左右に
6畳+洗面
程度の部屋がずらっとならんでいる。
隣との壁は,薄いようで,
当然なにかしらの声は聞こえてしまうようだ。
ヌシの隣室は,入居当時から,女性が入っており,
体が不自由ながら,頭がしっかりしているので,
ヌシとは,昼食や休み時間などで
会話をしていたらしい。
その女性が,ある日,いなくなった。
前触れもなく。
こういう施設での いなくなった という現象は,
1 別室に移った
2 病院に入院した
3 他○?
いろいろ想像が ぐるぐる回るところである。
気にはなるが,スタッフに聞いても
当然誰も教えてくれないとのこと。
まあ,聞かない方がいいのだろう。